願わくば、君の幸せ
悠平はまるで駄々っ子みたいになる私に優しかった。
私の思いは写真で見ればわかる。
赤ちゃんから大人になるまで、私達は必ず二人で写ってる。
同じだけ、私の思いもある。
アルバムは、思い出を残してくれる。
いつか、過去として見られる日が来るかわからない。
教会で、私の好きな羽斗吏は絵美と向かい合い誓いの言葉を交わしている。
「 沙和、式が終わったら羽斗吏が話したいって 」
「 うん… 」
あの日、悠平がいなかったらきっと涙は流さなかったと思う。
泣いて、泣いて…… 幾夜も泣き明かした。
羽斗吏が会いに来ても、何を悟ったのか部屋に勝手に入って来ることはなかった。
私の羽斗吏は、今…
あの笑顔が、私に苦笑させる。
もう、羽斗吏の事で泣くことはない……
「 沙和 」
羽斗吏の声が、切ないよ。
その声に、私はゆっくり振り返った。
その瞬間……
私は……
「 沙和… 来い!」
羽斗吏……
「 羽斗吏っ 」
いつも私が見ていた羽斗吏の笑顔に、私を受け止めるのか腕が広がっていて……
私は羽斗吏に飛び込んだ。