願わくば、君の幸せ
「 俺って女運悪いよな~ 」
別れた数だけ女がいた、その自覚がない羽斗吏には腹が立つ。
私はその中の一人にもなれない。
「 あ、ねぇベッドやめて、新しいカバーなんだから 」
「 カバーなんか、気にすんな 」
言う事聞かないんだから。
「 沙和 」
「 ん~?」
「 なんで彼氏作んねーの?」
……あんたが好きだから。
って、言えたらね……
あんたが原因で出来ないって言ってやりたい!
「 いなくてもいいから 」
「 俺なら沙和、絶対いいと思うけどな 」
……嘘つき。
羽斗吏は私のベッドで横になり、背もたれにしてる私の髪を引っ張り遊ぶ。
羽斗吏のこんな行為に背を向けたままの私は、絶対に振り向かない。
ドキドキしてるから……
痛いくらい、ドキドキしてるから。