願わくば、君の幸せ
「 なぁ沙和、彼氏出来たら俺に言えよ 」
なんでよ……
「 言ってどうするの 」
「 いい奴か見定めて、本気で付き合いたい奴には俺の許可がいるって言えよ 」
バカ。
「 そんな事言ったら私に彼氏なんか出来ないでしょ、羽斗吏には絶対言わない 」
「 コラ!」
「 …っ、痛! 何すんの… 」
羽斗吏は何が気に入らないのが髪をまとめ引っ張った。
おかげで首が後ろへ……
覗く羽斗吏が見えて睨んだ。
「 いきなり引っ張ったら首折れる!」
「 折れるか、バカ。約束しろ、沙和に合うかは俺が決める!」
「 何言って…… 」
「 約束!」
ほんと、何が気に入らないんだか……
好きなのは羽斗吏なのに、彼氏なんか出来るわけない。
なのに……
「 羽斗吏… あんた私が好き?大事?」
って… 何聞いてんのっ
「 当たり前、沙和が好きだよ 」
ね… なんでそう言えるの?
別れた彼女にもそう言えば別れなくて済むのに、バカだよ。
ほんと、その笑顔で… 言うな、嘘つき。