願わくば、君の幸せ
私は羽斗吏が笑えって言うし、笑わない私の頬をつねってくるから……
「 次は笑わないからね 」
今の彼女が最後……
「 わかった、沙和も彼女も大事にする 」
彼女と別れたら……
私、羽斗吏に言う。
もう誰にも渡さない!
「 沙和、笑え 」
「 もう、わかったから~ 」
羽斗吏に彼女が出来て、別れて、また彼女が出来て別れて……
いつだって、羽斗吏を見てきた。
また、同じ繰り返しで私と彼女を天秤にかけられないで終わる。
はずだった……
羽斗吏は今の彼女と一番長く続いている。
その理由を聞いてみた。
「 なんでって、会えばわかるよ 」
初めて言われた。
今まで彼女といる姿を見た事はある。
でも対面した事は一度もない……
私は会いたくないし、悪態つきたくなるだけ。
なのに、羽斗吏は初めて私に彼女と会わせようとしてる。