願わくば、君の幸せ

私は羽斗吏が笑えって言うし、笑わない私の頬をつねってくるから……



「 次は笑わないからね 」



今の彼女が最後……



「 わかった、沙和も彼女も大事にする 」



彼女と別れたら……

私、羽斗吏に言う。

もう誰にも渡さない!



「 沙和、笑え 」

「 もう、わかったから~ 」



羽斗吏に彼女が出来て、別れて、また彼女が出来て別れて……

いつだって、羽斗吏を見てきた。

また、同じ繰り返しで私と彼女を天秤にかけられないで終わる。


はずだった……


羽斗吏は今の彼女と一番長く続いている。

その理由を聞いてみた。



「 なんでって、会えばわかるよ 」



初めて言われた。

今まで彼女といる姿を見た事はある。

でも対面した事は一度もない……


私は会いたくないし、悪態つきたくなるだけ。


なのに、羽斗吏は初めて私に彼女と会わせようとしてる。




< 6 / 15 >

この作品をシェア

pagetop