100日の歌姫。




椅子に座ってると、おばさんが出てきた。


おばさん、すごい痩せた。


その姿が病気と闘ってた実那と重なって、胸が苦しくなる。



「渡したいものがあるの。」


そう言って、ポケットから封筒みたいなのを取り出した。



「実那が書いてたみたい。枕の下にあったの。読んであげて。」


「はい。」


実那が残した手紙。



「それとこれ。多分実那の日記と、歌を作ってたノートかな?持っててほしいの。」


「俺が、持ってていいんですか?」


「あなたに持っててほしいの。」


そう言って、おばさんは2冊のノートを俺に渡して戻っていった。



俺は"歌"と書かれたノートを開いた。



実那の字だ。


綺麗なんだけど、特徴のある字だから、すぐにわかる。



< 100 / 127 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop