100日の歌姫。
椅子に座ってると、おばさんが出てきた。
おばさん、すごい痩せた。
その姿が病気と闘ってた実那と重なって、胸が苦しくなる。
「渡したいものがあるの。」
そう言って、ポケットから封筒みたいなのを取り出した。
「実那が書いてたみたい。枕の下にあったの。読んであげて。」
「はい。」
実那が残した手紙。
「それとこれ。多分実那の日記と、歌を作ってたノートかな?持っててほしいの。」
「俺が、持ってていいんですか?」
「あなたに持っててほしいの。」
そう言って、おばさんは2冊のノートを俺に渡して戻っていった。
俺は"歌"と書かれたノートを開いた。
実那の字だ。
綺麗なんだけど、特徴のある字だから、すぐにわかる。