100日の歌姫。





10曲くらい歌って、最後の曲になった。



「この曲はさ、俺が作ったんだ。」


「えっ。」


莉々の顔はもう涙でぐちゃぐちゃ。


酷いことになってる。



「実那を思って、実那だけのために作った」


あー、くそ、泣きそう。


思わず立ち上がってしまった。



「でも酷いよな、俺は実那に聞かせられねえんだもん。

自分はちゃんとさぁ、、ビデオなんかに撮って、、卑怯だよな。」


何回見たかわかんねえくらい見た。


実那の歌を、実那の姿を観れる最後の手段。


消せるわけない。



「俺も、、歌ってやりてぇ、、こんな良い歌、できたぞって、、」


あー、涙が止まらない。



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