100日の歌姫。
「ゅぅま。」
「何だ。」
顔の向きを変えて、実那は俺の方を向いた。
「はは、ないてる、じゃん。ブス。」
「っうるせぇよ。」
ブスとかひどくねえ。
誰のせいで泣いてると思ってんだよ。
「ねぇ………キスして。」
「えっ?ここで?」
みんな、見てるんだけど。
実那は、酸素マスクをゆっくり口から遠ざけた。
そんな実那を見て、俺はゆっくり実那も唇をかさねた。
その時、実那の目からゆっくり涙がこぼれた。
「すきだよ。世界でいちばん。」
「俺も。」
こんなに好きになったのは、実那が初めてだし、きっと実那が最後だ。