花と蝶
欣宗が権賢と対峙している間、正嬪は後苑である人物と出会った。権賢の娘、彩蓮(チェリョン)である。
瑞々しいさと小生意気そうな雰囲気をもった娘であった。正嬪から言葉をかけなければ彩蓮は話さなかっただろう。声をかけると彼女は親しげに話を始めた。
「正嬪媽媽からお言葉をいただけるなんて光栄ですわ」
「こなたこそ皇貴妃娘娘の姪とお話できて嬉しいわ。見事なチョゴリだわ」
彩蓮は海棠色の生地に花の刺繍が入ったチョゴリを纏っている。
「針房と繍房から贈られました」
「まあ、それは羨ましいわね」
「媽媽は尚衣院から衣装を贈られております。私めより待遇は上ではありませんか?」
「こなたに詳しいのね」
すると、彩蓮はくすりと笑ってみせる。
「正嬪媽媽は有名人ですからね。ご一緒に殿下にお仕えできるのが楽しみです」
「もう後宮に選ばれると?」
「そうでなければ衣装は贈られてきません。では、私めは失礼致します」
彩蓮が一礼をして後苑を颯爽と歩いていった。それをみた朴尚宮は呆れたように短いため息をした。
瑞々しいさと小生意気そうな雰囲気をもった娘であった。正嬪から言葉をかけなければ彩蓮は話さなかっただろう。声をかけると彼女は親しげに話を始めた。
「正嬪媽媽からお言葉をいただけるなんて光栄ですわ」
「こなたこそ皇貴妃娘娘の姪とお話できて嬉しいわ。見事なチョゴリだわ」
彩蓮は海棠色の生地に花の刺繍が入ったチョゴリを纏っている。
「針房と繍房から贈られました」
「まあ、それは羨ましいわね」
「媽媽は尚衣院から衣装を贈られております。私めより待遇は上ではありませんか?」
「こなたに詳しいのね」
すると、彩蓮はくすりと笑ってみせる。
「正嬪媽媽は有名人ですからね。ご一緒に殿下にお仕えできるのが楽しみです」
「もう後宮に選ばれると?」
「そうでなければ衣装は贈られてきません。では、私めは失礼致します」
彩蓮が一礼をして後苑を颯爽と歩いていった。それをみた朴尚宮は呆れたように短いため息をした。