【短】泣き虫先生とわたしの卒業


 わたしに、どうしろと?


 早く帰ってくれ。帰ってビールでも飲んだら、忘れるんじゃないの?
 少なくとも、わたしの父さんはそうなんだけど。


 でも、机に顔を埋めて泣いているゆうちゃんは、多分そういうタイプではない。



「スー……スー……」

「は?」



 どうやら寝てしまったらしい。お前は子供か!
 まあ、寝てくれていた方が出て行きやすいけど。


 仕方なくわたしは、ゆうちゃんの近くに図書室の鍵を置いて出ていくことにした。

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