【短】泣き虫先生とわたしの卒業

「ん……」



 あ。起きちゃったかな。
 生徒に頭を撫でられていたなんて、そんなこと知られたら余計に落ち込みそうだ。


 ここは退散!



「待って……」



 踵を返したと同時。ゆうちゃんの手が、素早くわたしの腕を掴まえた。



「あ……」



 起きてたの? というか、寝起きがよすぎる気がする。


 ムクリと、ゆうちゃんが顔を上げた。


 目が腫れてる。寝ぼけているみたいで、目が合ったまま……しばらく見つめ合った状態。


 無防備なその表情に、なぜかわたしはドキドキしていた。

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