【短】泣き虫先生とわたしの卒業
「そんなんでやっていけるの?」
わたしはそんな寂しさを隠すかのように話しかける。
机に突っ伏していた日下部優先生、通称ゆうちゃんがやっと顔を上げた。
ずっと伏せっていておでこが赤くなっている。目は泣いていたせいで、少し腫れていた。
「ゆうちゃん」
わたしはそっとその頭を撫でてあげる。
染めていないのに明るいブラウンの髪が、徐々に迫ってきた夕日に照らされてオレンジ色に見えた。
「羨ましいな、この髪」
「渚の髪だって、黒くて長くて綺麗。絶対に染めないでね」