【短】泣き虫先生とわたしの卒業
「ゆうちゃんの授業、ちっとも生徒のこと見てないじゃない」
「え?」
「やりたいこと、言わなきゃいけないことで頭がいっぱいで。生徒みんなの反応見たことある?」
「あ……」
「全然、伝わってないよ。もっと落ち着きなよ」
本当にはっきり言われた。
速水は思った以上にクールだった。
でも、おれの問題点がわかるほどに授業を聞いてくれていたんだな。
やっぱり速水は神様だ。
そう思ったら、また涙が出てきた。
「も、もう勘弁してよっ」
「……すまん……グスっ」
「ゆうちゃん」
「……だってさ。授業、緊張する……グスン。どうしても……っ」