【短】泣き虫先生とわたしの卒業
「彼女かぁ。おれ、無理だな」
「なんで?」
「好きな人、いるから。そいつ以外ありえない」
聞くのが怖かった。
ゆうちゃんに似合う先生はいる。
保健室の先生、社会科の先生、図書室の司書先生。
それだけじゃない。通勤途中にある駅やコンビニ、スーパーなんかにもきっと、ゆうちゃんに似合う大人の女性がいる。
わたしじゃ太刀打ち出来ないほどの人がたくさんいる。
出てしまいそうな涙を堪えて、また窓の外を見つめた。