【短】泣き虫先生とわたしの卒業


 日が沈む。暗くなってしまったその場所に、自分だけが取り残されてしまったような錯覚。


 卒業して、追い出されてしまうような疎外感。


 授業も上手くいってる。成績も上がってる。泣くことも少なくなった。
 ゆうちゃんは、もうわたしのことは必要じゃない。


 必要なのは、ゆうちゃんの好きな人……。



「渚。最後の授業を始める」

「え?」



 突然、ゆうちゃんがいたずらっぽい笑みになる。
 何を始めるかわからないけれど、付き合ってあげようと思った。


 わたし自身、このまま終わりたくなかったから。

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