【短】泣き虫先生とわたしの卒業
「毎年、バレンタインデーと誕生日にプレゼントをくれたね。おれも贈ったけど」
「うん」
「いつ、誕生日知ったの?」
わたしはゆうちゃんに誕生日を聞けなかった。だけど、どうしても知りたくて。
お礼がしたいからって、嘘を言って他の先生に聞いたんだった。
それを多分、ゆうちゃんは知ってる。
「知ってる、くせに。意地悪しないでよ」
「ごめん」
腰に回された腕に力が入って、わたしも鼓動が速くなる。
心臓がおかしくなってしまったと思うくらいに、ドキドキが止まらない。
「ゆうちゃん?」
肩に乗せられたゆうちゃんの頭を撫で、そのまま頬に触れたら濡れていたから驚いた。