【短】泣き虫先生とわたしの卒業
「ずっと我慢してた」
「ゆうちゃん……」
「渚のことが好きです」
告白だった。
まさか、ゆうちゃんが告白するなんて思ってなかった。だって、そんな雰囲気全くなかったから。
「でも、渚はおれの生徒だから。渚との時間だけに集中して、気持ちは言わなかった」
「ゆうちゃん、いつから? いつから、わたしのこと……」
苦しくなるくらいの鼓動を隠すように、わたしは質問した。
「初めて、渚って呼んだ日」
もし、あの時にわがままを言わなかったら、ゆうちゃんはわたしを好きになってくれなかったかもしれない。
「違うよ、渚」
「え?」
「きっかけは名前を呼んだことだったけど、顔を合わせるたびに。図書室で話すたびに好きになっていった」
わたしの心を見透かすかのように、ゆうちゃんは優しく話す。