【短】泣き虫先生とわたしの卒業

 急な出来事に思考がついていかない。
 どうしたらいいか、わからなくなってきた。



「ゆうちゃん、わたし……っ」



 唇が震えて上手く喋れない。
 言いたいことが纏まらない。
 わたしらしくない。でも、どうにもならなかった。


 "好き"


 その言葉が出てこない。


 ゆうちゃんに告白されたことが嬉しいはずなのに。
 こんなこと、ありえないってわたしの心が否定する。


 ゆうちゃんがわたしのこと、好きだったなんて……。



「おれのこと嫌い?」

「違う」

「泣き虫だし、眼中になかった?」

「そんなことない」



 こんなに嬉しいことはない。
 でも、まだ迷惑をかけちゃいけないって何かがブレーキをかけてしまう。

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