【短】泣き虫先生とわたしの卒業
「ゆうちゃんが……っ」
なぜか涙がこぼれ落ちる。
いつも泣いてるのはゆうちゃんなのに、おかしい。
わたしは、ゆうちゃんの腕を振りほどいて、勢いよく抱きつく。
暗くなってきて、ゆうちゃんの表情はよくわからない。涙で、その姿さえ歪んでしまう。
「ゆうちゃんが、ゆうちゃんが……好き。ずっと、好きだった!」
ゆうちゃんを見上げて、一つ一つ、大事に伝えた言葉。
不安で、この沈黙がわたしの胸を抉るようで怖かった。
ちゃんと、ゆうちゃんの元に届いたのか、不安になった瞬間――――。
わたしの唇に、優しく触れたゆうちゃん。