【短】泣き虫先生とわたしの卒業
「ゆうちゃん」
「渚、大好き」
今度は力強くキスされた。
「おれのそばにいて」
涙がわたしの頬に落ちた。
「ゆうちゃん、泣いてる……」
「渚だって」
わたしは泣いてることが恥ずかしくて、ゆうちゃんの胸に顔を埋めた。
「でも、転勤になったら離れちゃうな。嫌だな」
「いきなり現実的なこと言わないでよ」
「だってさ……」
「大丈夫、遠距離でも。ゆうちゃんは?」
「話、聞いてくれる? 毎日、電話してもいい?」
「仕方ないな」
ゆうちゃん、出会ったあの日から全く変わらない。
安心出来る。わたしが知ってるゆうちゃんだ。