【短】好きだから、会いに行く。



「コンビニのところで会ったんだ。沙絢さん、傘忘れたみたいで」

「……本当にありがとう、あっくん」

「ちゃんとあったまってくださいね」



しょんぼりとする彼女が、たまらなく愛おしく見えてくる。




それに、さっきまでは暗くて見えなかった透けた服も玄関の明るさでは丸見えで。



「……沙絢さん、早く前隠してください」

「…へ?……〜っ!!」


たまらず視線を逸らした俺の言葉に、彼女は真っ赤な顔で俯いた。




「…え、何?2人なんかあった?」

「いや、別に」


そんな俺たちの様子に不思議がる悟には、適当に嘘をついておいて。



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