【短】好きだから、会いに行く。
「じゃ、俺は帰ります」
これ以上彼女を困らせるわけにもいかなくて、俺は帰ろうと玄関のドアノブを握る。
けど、それよりも先に。
「…、あっくん…!」
彼女が、俺の名前を呼ぶから。
「また、遊びに来てね……っ」
「はい、また────」
その顔を、また崩してやりたくなって。
「────また、会いに来ます」
俺は、また明日もあなたに会いに行く。
1人の、男として。
【Fin.】