蜜月同棲~24時間独占されています~
朝食を終え、克己くんと一緒にマンションを出る。
出る時間帯が重なれば、いつも会社の駅近くまで車で送ってくれるのだ。
「今日で最後だろ。お祝いに食事でも行くか」
克己くんのセリフが可笑しくて、笑ってしまった。
「自主退職するのにお祝い?」
「お祝いだろ。これから新しくスタートが切れるってことなんだから」
今日で最後の出勤だ、と思うとなんだかしんみりとしてしまっていたのだけど、言われてみればその通りだ。
全部終わって、再スタート。
その方がすっきりと頑張れる気がする。
「そっか……うん、お祝いしたいな」
「何がいい?」
「お鮨……あ、焼肉もいいなあ」
駅のロータリーの隅に車が止まる。
克己くんの大きな手が、ぽんと私の頭に乗って、彼が笑った。