蜜月同棲~24時間独占されています~
微かな違和感
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翌日土曜、朝早いうちに、会わないかと姉から連絡があった。
姉と克己くんは久しぶりのはずだから一緒に行けたら良かったのだけど、彼は仕事で何かあったらしい。
急遽出勤することになり、渋々出かけて行った。
ランチの時間、大きな商業施設のある駅の改札で姉と待ち合わせ、てすぐ近くのカフェに入った。
テーブルについた途端、姉は身を乗り出して目をキラキラとさせ私に迫る。
「柚香、克己と一緒に住んでるってホント!?」
あれきり何も言ってこないから放っていたけれど、浮かれた母はもう決定事項の如く姉に話してしまったらしい。
破談のほとぼりが冷めたら、結婚するかもしれないわ、と。
頭が痛い、と額を抑える。
そりゃ、私は克己くんが好きだと自覚してしまったし、いいけれど。
克己くんにとったら迷惑でしかない。
望みを捨てたわけじゃないけれど、今はそっとしておいてほしいのに。
「けど、何もないから」
「は? ないって何が」
「何がって……だから。その、変な関係じゃないからっ」
変な関係って言い方もどうよ、と自分で思いつつ、それ以上言葉の濁し方がみつからなかった。
姉は「は?」と眉を顰めてとんでもないことを言う。
「え、一緒に住んで何もないってこと? そんなことあるの?」
「あるのっ! お姉ちゃんまで変なこと言わないでよ」
「克己、何やってんの、ヘタレなの?」
眉間に皺を寄せながら、真剣な顔だ。
姉は昔から活発で男勝りな性格で、学生の頃は克己くんとは親友のような関係を築いていた。
翌日土曜、朝早いうちに、会わないかと姉から連絡があった。
姉と克己くんは久しぶりのはずだから一緒に行けたら良かったのだけど、彼は仕事で何かあったらしい。
急遽出勤することになり、渋々出かけて行った。
ランチの時間、大きな商業施設のある駅の改札で姉と待ち合わせ、てすぐ近くのカフェに入った。
テーブルについた途端、姉は身を乗り出して目をキラキラとさせ私に迫る。
「柚香、克己と一緒に住んでるってホント!?」
あれきり何も言ってこないから放っていたけれど、浮かれた母はもう決定事項の如く姉に話してしまったらしい。
破談のほとぼりが冷めたら、結婚するかもしれないわ、と。
頭が痛い、と額を抑える。
そりゃ、私は克己くんが好きだと自覚してしまったし、いいけれど。
克己くんにとったら迷惑でしかない。
望みを捨てたわけじゃないけれど、今はそっとしておいてほしいのに。
「けど、何もないから」
「は? ないって何が」
「何がって……だから。その、変な関係じゃないからっ」
変な関係って言い方もどうよ、と自分で思いつつ、それ以上言葉の濁し方がみつからなかった。
姉は「は?」と眉を顰めてとんでもないことを言う。
「え、一緒に住んで何もないってこと? そんなことあるの?」
「あるのっ! お姉ちゃんまで変なこと言わないでよ」
「克己、何やってんの、ヘタレなの?」
眉間に皺を寄せながら、真剣な顔だ。
姉は昔から活発で男勝りな性格で、学生の頃は克己くんとは親友のような関係を築いていた。