蜜月同棲~24時間独占されています~

「お義兄さんにも心配かけて、本当ゴメン」

「いやいや。皆同じこと言ってるから。結婚した後で発覚っていう最悪の事態にならなくて良かったわよ。親戚のおばちゃんも皆言ってるから、あんたは気にしないでいいのよ」

「うん」


確かに皆、同じことを言う。
だから最初は、気休めかと素直に受け取りづらい感情もあった。


だけど今、改めて思うと本当にその通りだ。
綾奈もお腹の赤ちゃんも、お父さんと一緒に暮らせるし、私も皆に励まされたおかげで新しいスタートが切れた。


「私は本当に大丈夫。お義兄さんにも会いたかったな」

「ああ、まあ、案外近いうちに会えるんじゃない?」

「うん? そうなの?」


何か、意味深な言葉のような気がしたけれど、姉が素知らぬ顔でグラスに水を飲んだので、私もそのまま流してしまった。


「あ、そうだ!」


そう、それに。
今日はこのことを、ちゃんと謝ろうと思っていたのだ。


「ドレス作ってくれたのに、ごめん。でも、ちゃんと大事にする。今は、ちょっと手元にないんだけど……」



< 123 / 200 >

この作品をシェア

pagetop