蜜月同棲~24時間独占されています~
「お義兄さんにも心配かけて、本当ゴメン」
「いやいや。皆同じこと言ってるから。結婚した後で発覚っていう最悪の事態にならなくて良かったわよ。親戚のおばちゃんも皆言ってるから、あんたは気にしないでいいのよ」
「うん」
確かに皆、同じことを言う。
だから最初は、気休めかと素直に受け取りづらい感情もあった。
だけど今、改めて思うと本当にその通りだ。
綾奈もお腹の赤ちゃんも、お父さんと一緒に暮らせるし、私も皆に励まされたおかげで新しいスタートが切れた。
「私は本当に大丈夫。お義兄さんにも会いたかったな」
「ああ、まあ、案外近いうちに会えるんじゃない?」
「うん? そうなの?」
何か、意味深な言葉のような気がしたけれど、姉が素知らぬ顔でグラスに水を飲んだので、私もそのまま流してしまった。
「あ、そうだ!」
そう、それに。
今日はこのことを、ちゃんと謝ろうと思っていたのだ。
「ドレス作ってくれたのに、ごめん。でも、ちゃんと大事にする。今は、ちょっと手元にないんだけど……」