蜜月同棲~24時間独占されています~

「ああ、大丈夫。聞いてるから」

「えっ?」

「克己が預かってるんでしょ? 聞いてるから大丈夫よ」

「あ、そうなんだ」


ちょっと、引っかかるものがあった。
私ともうずっと長いこと疎遠だったように、姉とも連絡は取ってないと思っていた。


それに、今日姉に会うと言った時も、懐かしそうにはしていたけれど、連絡を取ってる素振りは見えなかったのだ。
たまたま、言わなかっただけだろうか?


隠すことでもないから、多分そうなのだろう。


「あ、きたきた。お腹空いたぁ」


店員がプレートをふたつ持って近づいてくるのを見つけ、姉が嬉しそうな顔をする。
「お待たせしました」とテーブルに置かれたプレートが本当に美味しそうで、野菜の彩りもよく食欲をそそる。


「ね、デザートも食べようね。お姉ちゃんが奢ったげるから」

「まだ食べる前からデザートの話? お腹に余裕があったら食べようかな」


幾つになっても男並みに食べるところは変わらないなと、姉を見ていると楽しくて、小さな違和感のことはそのまま忘れてしまった。

< 124 / 200 >

この作品をシェア

pagetop