蜜月同棲~24時間独占されています~
「ああ、大丈夫。聞いてるから」
「えっ?」
「克己が預かってるんでしょ? 聞いてるから大丈夫よ」
「あ、そうなんだ」
ちょっと、引っかかるものがあった。
私ともうずっと長いこと疎遠だったように、姉とも連絡は取ってないと思っていた。
それに、今日姉に会うと言った時も、懐かしそうにはしていたけれど、連絡を取ってる素振りは見えなかったのだ。
たまたま、言わなかっただけだろうか?
隠すことでもないから、多分そうなのだろう。
「あ、きたきた。お腹空いたぁ」
店員がプレートをふたつ持って近づいてくるのを見つけ、姉が嬉しそうな顔をする。
「お待たせしました」とテーブルに置かれたプレートが本当に美味しそうで、野菜の彩りもよく食欲をそそる。
「ね、デザートも食べようね。お姉ちゃんが奢ったげるから」
「まだ食べる前からデザートの話? お腹に余裕があったら食べようかな」
幾つになっても男並みに食べるところは変わらないなと、姉を見ていると楽しくて、小さな違和感のことはそのまま忘れてしまった。