蜜月同棲~24時間独占されています~
「んな、きっちりすることないのに」
「いいの。あ、食事はちゃんと作るよ。掃除はちょっと、一日置きとかになるかもしれないけど」
「それは分担。元々は俺ひとりでやってたんだし……何、急に」
克己くんの笑顔がちょっと寂しそうになった気がして、心配になって横顔を見つめる。
「……いや、何でもない」
「え?」
なんでもない顔には見えなくて、だけど克己くんが飲み込んだ何かがわからなくて聞き返したけれど。
彼は、無言で右を向いて顔を反らし、ハンドルを切る。
私の視線から逃げたような気がした。
そう思い、彼を怒らせてしまったのだろうかとヒヤヒヤしていたけれど、ちょうど右折するときだったから私の思い過ごし、だったのかもしれない。