蜜月同棲~24時間独占されています~
会社に来れば、克己くんの言ってた気になる人の存在がわかるかも、と思ったけれど。
どうやら、今の話からすると、抑々女性関係が不透明なようだ。


「付き合ってる人とかも、今までいなかったんですか?」

「聞いたことないし見たこともないかな、ここ数年は」


ねえ、と互いに頷き合っている様子を見ていると、どうやら本当のことらしい。


「大学とかのことになるとわかんないけどね」

「それは深見さんが知ってそうだけどね」

「っつかあのふたりが仲良すぎて怪しいって」

「深見さんは彼女いるって」

「あ、なんだそうなんだ」

「って、なんで残念そうなのよー!」


テーブルの中央に置かれた唐揚げや焼き鳥、フライドポテトをみんなでつまみながら、グラスが次々空いていく。
あはは、と賑やかな笑い声が響き、私もつい釣られて笑った。


「それより、社長と一緒に住んでてどうなの?」

「えっ……どう、と、言うのは?」


またしても話の矛先がこちらに向いてしまった。


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