蜜月同棲~24時間独占されています~
キス未遂
三十分ほど走っただろうか、車を停め外に出る。
目の前には、煌びやかな工場地帯が広がっていた。
「すごい、綺麗」
不思議な景色だった。
あちこちで大小の白い光が点滅する。
人工物だけで出来上がった未来都市のようで、素っ気なくも感じるけれど綺麗だった。
「たまに見に来るんだよ。都会じゃ星なんて見えないけどこれはこれで、見てたらなんとなく、落ち着く」
「落ち着く?」
「自然も綺麗だけど、人間が作ったもんだと思うとちょっと安心する」
「そうなんだ……」
工場地帯を見渡すここは、小高い土地と土地を繋ぐ橋のような場所で車道に添って広めの歩道がある。
その手すりに手を乗せて工場地帯を眺めていれば、少し目がチカチカとした。
星だとか夜景だとか海だとか、何かを眺めた時に感じるものは人によって違うと思う。
「私は、なんかちょっと寂しく感じる、かな」
「寂しい?」
「この景色が寂しいとかじゃなくて、人恋しくなるような、感じ」
ざざ、と風が吹く。
四月半ば、春とは言え夜風は冷たい。
風に晒され、背筋が震え寒いと自覚した瞬間、ふわっと真後ろから体温に包まれた。
目の前には、煌びやかな工場地帯が広がっていた。
「すごい、綺麗」
不思議な景色だった。
あちこちで大小の白い光が点滅する。
人工物だけで出来上がった未来都市のようで、素っ気なくも感じるけれど綺麗だった。
「たまに見に来るんだよ。都会じゃ星なんて見えないけどこれはこれで、見てたらなんとなく、落ち着く」
「落ち着く?」
「自然も綺麗だけど、人間が作ったもんだと思うとちょっと安心する」
「そうなんだ……」
工場地帯を見渡すここは、小高い土地と土地を繋ぐ橋のような場所で車道に添って広めの歩道がある。
その手すりに手を乗せて工場地帯を眺めていれば、少し目がチカチカとした。
星だとか夜景だとか海だとか、何かを眺めた時に感じるものは人によって違うと思う。
「私は、なんかちょっと寂しく感じる、かな」
「寂しい?」
「この景色が寂しいとかじゃなくて、人恋しくなるような、感じ」
ざざ、と風が吹く。
四月半ば、春とは言え夜風は冷たい。
風に晒され、背筋が震え寒いと自覚した瞬間、ふわっと真後ろから体温に包まれた。