蜜月同棲~24時間独占されています~
極々微かに、爽やかなグリーンの香りがした。
克己くんがいつもつけている香水だ。
「か、克己くん?」
戸惑って名前を呼ぶと、私を包む両腕にぎゅっと力がこもる。
私の頭に顎を乗せているから、真上から低音が響いた。
「ん?」
「あの、ちょっとは寒いけど、我慢できない程じゃないから」
お酒で酔っていた時よりも、心臓が痛い。
家でからかうみたいに抱きしめられたり頬にキスされたりしてちょっとは慣れた気がしていたのに、今は酷く緊張する。
いつもみたいにからかってるんじゃないようなそんな気がして。
それは、この景色が作る雰囲気が私にそう思わせているのかもしれない。
「人恋しいんだろ」
私の前で交差して、肩を掴んだ大きな手。
人恋しいから、抱きしめてくれている。
それなら、まだ風が冷たいからって理由の方が、良かった。
「……やめて」
「なんで?」
顔を振り向かせるとそれこそいつでも唇が触れそうなほど、すぐ間近に彼がいて。
近すぎて表情がわからないけれど、目は優しく細められていた。
「……こんな風に、されたら、勘違いしそうになる。なんでこんなことするの?」
いつもただの意地悪だと受け流していることを、追及してしまったのは。
やっぱりちょっと、お酒の力を借りたからだと思う。
克己くんがいつもつけている香水だ。
「か、克己くん?」
戸惑って名前を呼ぶと、私を包む両腕にぎゅっと力がこもる。
私の頭に顎を乗せているから、真上から低音が響いた。
「ん?」
「あの、ちょっとは寒いけど、我慢できない程じゃないから」
お酒で酔っていた時よりも、心臓が痛い。
家でからかうみたいに抱きしめられたり頬にキスされたりしてちょっとは慣れた気がしていたのに、今は酷く緊張する。
いつもみたいにからかってるんじゃないようなそんな気がして。
それは、この景色が作る雰囲気が私にそう思わせているのかもしれない。
「人恋しいんだろ」
私の前で交差して、肩を掴んだ大きな手。
人恋しいから、抱きしめてくれている。
それなら、まだ風が冷たいからって理由の方が、良かった。
「……やめて」
「なんで?」
顔を振り向かせるとそれこそいつでも唇が触れそうなほど、すぐ間近に彼がいて。
近すぎて表情がわからないけれど、目は優しく細められていた。
「……こんな風に、されたら、勘違いしそうになる。なんでこんなことするの?」
いつもただの意地悪だと受け流していることを、追及してしまったのは。
やっぱりちょっと、お酒の力を借りたからだと思う。