蜜月同棲~24時間独占されています~
初めてでもないのに、酷く緊張してがちがちになっていた。
だけど、決して嫌だったわけじゃない。
でも克己くんにはそう、見えてしまったのだろうか。
ふっ、と笑った気配がしたあと、彼のキスが触れたのは端の少し上、目と目の間。
「ごめん。急ぎ過ぎたな」
切なげな、擦れた声でそう言って、ぎゅうっと強く両腕で私を抱きしめた。
「ここまで慎重に来たってのに」
はああ、と深く何かを吐き出すような溜息が私の首筋に当たる。
ついぴくっと身体が反応してしまいながらも、彼の背中に手を回した。
「それ、て、どういう意味……ひゃあっ!?」
突然、がぶっと首筋にかぶり疲れた感触があり、しかも軽く歯を立てられて変な悲鳴を上げてしまう。
するとそこに顔を埋めたまま、彼がくすくす笑い出した。
「ひゃあってなんだよ」
「だって! びっくりするでしょ!」
かああと顔を熱くしながら、結局またからかったのだろうかと頭に来て反論した。
離してもらおうと身じろぎしたが、彼の腕の力は緩まず顔もまた首筋に逆戻り。
「もう、離してって……」
「……好きだよ」
首筋の肌に唇をつけながら、はっきりと彼の声が聞こえた。
「俺はお前が好きだ、ゆず」