蜜月同棲~24時間独占されています~
鼓動が早くなりすぎて、くらくらする。
私は克己くんの肩に少しずつ体重をかけ、前屈みになると。
音もしない。
きゅっと目を瞑り、極々掠めた程度に私が唇を触れさせたのは、彼の唇だった。
一秒もせずに、すぐに離れる。
ぴくっと彼の肩が反応して、薄く目を開けるとすぐ近くで驚いたように見開く黒い目があった。
「……あ、焦らなくていいって言ってくれたから」
「から?」
「……キスから、ゆっくり」
どもりながらそう言って、膝から降りようとしたけれど。
彼がそれを許さない。
大きな手が、私の頬を捕まえる。
「じゃあ、俺からもしていい?」
黒い瞳に見つめられ、小さく頷く。
じっと目を合わせながら、ゆっくりと角度を変え克己くんの唇が近づいた。
ちゅ、と軽く啄まれてから、ふわりと吐息があたる。
私の様子を確かめるようにそれを繰り返すと、何度目かで私の頬にあった手が首筋を支えるように移動した。
そうして、私の退路を断つようにしてから。
深く、唇を割るように重ねられた。