蜜月同棲~24時間独占されています~
「あ……」
哀しそうな目で見つめられ、俯いて一歩後ずさる。
腕の手は、もう強くはないけれど、それでも離すまいとまだ掴まれたままだ。
恥ずかしいし、情けないけれど。
観念するしかなく、私は恐々、口を開く。
「お、お姉ちゃんと、一緒にいた」
「用があるからだ。静香と何かあるわけないだろ」
「でも、何度か会ってるの見た人がいる。なのに、私全然聞いたことないよ? なんでもないなら、普通は話すよね? 私毎日一緒にいるのに」
話しているうちに、またポロポロ涙が出てきた。
お姉ちゃんとなんでもないのは、わかってる。
こうして顔を見て話せば、疑う余地がないのは伝わる。
だけど、ふたりの姿を見た瞬間の衝撃は、思い出しても泣けてしまう。
「な、なんで私だけ知らないの? なんでふたりだけで会ってて、私には話してもくれないの?」
大人になったところを見せたかったはずなのに、子供みたいなヤキモチをぶつけた。
「それに、星和堂に戻るって本当? なのに私をあの会社に入れたの? そのこともだよ、なんで言ってくれないの?」
克己くんがいなくても、仕事は仕事だ。
それを理由に辞めるなんてできない。
だけどどうして話してくれないのか。
こんなに悲しいのは、私を好きと言いながら隠し事をされたからだ。
「仕事でもなく、女の人とふたりで会うなんてやだ。相手がお姉ちゃんでもやだ。その上隠し事されたらもっといや」
隠し事して嘘ついて、こそこそと綾奈と会ってた新田さんを、どうしても思い出してしまうのだ。
哀しそうな目で見つめられ、俯いて一歩後ずさる。
腕の手は、もう強くはないけれど、それでも離すまいとまだ掴まれたままだ。
恥ずかしいし、情けないけれど。
観念するしかなく、私は恐々、口を開く。
「お、お姉ちゃんと、一緒にいた」
「用があるからだ。静香と何かあるわけないだろ」
「でも、何度か会ってるの見た人がいる。なのに、私全然聞いたことないよ? なんでもないなら、普通は話すよね? 私毎日一緒にいるのに」
話しているうちに、またポロポロ涙が出てきた。
お姉ちゃんとなんでもないのは、わかってる。
こうして顔を見て話せば、疑う余地がないのは伝わる。
だけど、ふたりの姿を見た瞬間の衝撃は、思い出しても泣けてしまう。
「な、なんで私だけ知らないの? なんでふたりだけで会ってて、私には話してもくれないの?」
大人になったところを見せたかったはずなのに、子供みたいなヤキモチをぶつけた。
「それに、星和堂に戻るって本当? なのに私をあの会社に入れたの? そのこともだよ、なんで言ってくれないの?」
克己くんがいなくても、仕事は仕事だ。
それを理由に辞めるなんてできない。
だけどどうして話してくれないのか。
こんなに悲しいのは、私を好きと言いながら隠し事をされたからだ。
「仕事でもなく、女の人とふたりで会うなんてやだ。相手がお姉ちゃんでもやだ。その上隠し事されたらもっといや」
隠し事して嘘ついて、こそこそと綾奈と会ってた新田さんを、どうしても思い出してしまうのだ。