蜜月同棲~24時間独占されています~
「ははっ。また真赤」

「そりゃ……赤くなるよこんなシチュエーション……」


開き直って正直にそう言うと、彼はくすくすと楽しげだ。


「可愛いな、俺の花嫁は」

「お姉ちゃんのドレスとメイクのお陰です」

「照れ屋なところも全部可愛い」


今日は私がどれだけ照れようが真っ赤になろうが、お構いなしにひたすら、私を甘やかしてくれる予定らしい。
甘い言葉を囁きながら、彼の左手が私の左手を恭しく持ち上げる。


そして、少し腰を屈めると、手の甲に優しく口づけた。


「必ず幸せにすると誓うよ」

「克己くん?」

「だから、この指に指輪をはめてくれないか」


ちゅっ、と手の甲からずれて彼が唇で啄んだのは、薬指だった。


「え……?」


彼が一度、身体を起こし、スーツの胸ポケットから四角い箱を取り出す。
それだけで、中に何が入っているのかはもう、すぐにわかった。


彼の手の中で開いたそこには、部屋の灯りを反射して光を揺らめかせる、大きな石の指輪があった。



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