蜜月同棲～24時間独占されています～

番外編 happyマリッジ

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テーブルに並ぶのは、温野菜のサラダに、オムレツ、色鮮やかな生春巻き、白身魚のカルパッチョ。
イタリアワインのボトルは半分ほど空いている。


向いではほろ酔いで少し頬を染めたさやかが、ご機嫌でグラスを傾けていた。
彼女の手元には、私が先ほど渡した結婚式の招待状がある。


「それにしても篠宮さん、随分性急よね」

「うん。来年には星和堂に戻るから、それまでに、って」


プロポーズの夜から、四か月が過ぎた。
二か月後には、私たちは結婚式を挙げる。


今は、互いに仕事をこなしながらその準備に追われているところだ。
私が、以前の婚約が破談になってしまってからそれほど時間が経っていないし、せめて一年は待った方がいいのじゃないかと思ったのだけど。


家族とごく親しい信頼できる友人だけで細やかに式を挙げ、会社や親族に向けた披露宴は来年を待って執り行うことになった。


「一刻も早く自分のものにしたいって感じよねえ」


さやかの表情がにやにやと私をからかうものになる。
私は頬が熱くなるのを感じながら、無言でワインをひとくち含んだ。


彼女の推測は間違っていない。
克己くんは、来年から星和堂の仕事をすることになっているが、私はその後も今の会社で深見さんを手伝うことに決めている。


それまでになんとしても、入籍をして式も挙げておきたいらしい。
星和堂に私を連れていくよりも、深見さんや磯原さんの仕事を手伝って欲しいと自分が言ったくせに、いざとなるとヤキモチを妬いているのだ。