蜜月同棲~24時間独占されています~
式場選びに結婚指輪、姉の作ってくれたドレスに合わせて、ブーケの準備。
忙しい合間に、克己くんはひとつひとつ全部、一緒に探してくれた。
そんなところも、新田さんとの時とは違っていた。
彼は何かと仕事を理由にして、私に任せることが多かったから。
と、久しぶりにかつての婚約者のことを思い出していたのだが、その彼の名前をさやかの口から聞くことになる。
「そうだ、言わなくてもいいかな、とか思ったんだけど……柚香も幸せそうだし、もういいよね。新田さんのこと」
「え?」
「籍だけ入れたみたい。それはちらっと聞いた」
「あ……そっか」
綾奈が、私が辞めた暫く後に退職したことは、知っている。
「子供は順調なのかな?」
「そうみたい」
「会社の空気は?」
「さすがにもうね、元に戻りつつあるわよ。新田さんも、柚香が辞めてからは黙々と文句も言わずに仕事をしてた。いつまでもギスギスした空気のままじゃ仕事にならないしね」
良かった、と思った。
酷い目に合ったことは許す気にはなれないけれど、新田さんの人生があのまま狂ってしまえばいいなんて思っていない。
もう二度と会いたいとは思わないし今後一切関わることがないのならそれでいい。
綾奈と子供と幸せに、と素直に思えた。
忙しい合間に、克己くんはひとつひとつ全部、一緒に探してくれた。
そんなところも、新田さんとの時とは違っていた。
彼は何かと仕事を理由にして、私に任せることが多かったから。
と、久しぶりにかつての婚約者のことを思い出していたのだが、その彼の名前をさやかの口から聞くことになる。
「そうだ、言わなくてもいいかな、とか思ったんだけど……柚香も幸せそうだし、もういいよね。新田さんのこと」
「え?」
「籍だけ入れたみたい。それはちらっと聞いた」
「あ……そっか」
綾奈が、私が辞めた暫く後に退職したことは、知っている。
「子供は順調なのかな?」
「そうみたい」
「会社の空気は?」
「さすがにもうね、元に戻りつつあるわよ。新田さんも、柚香が辞めてからは黙々と文句も言わずに仕事をしてた。いつまでもギスギスした空気のままじゃ仕事にならないしね」
良かった、と思った。
酷い目に合ったことは許す気にはなれないけれど、新田さんの人生があのまま狂ってしまえばいいなんて思っていない。
もう二度と会いたいとは思わないし今後一切関わることがないのならそれでいい。
綾奈と子供と幸せに、と素直に思えた。