蜜月同棲~24時間独占されています~
ちゅ、と軽く。
それだけでは当然物足りず、私は腕を緩めない。


彼が上半身被さるように、私の顔のすぐ横に両肘をつき、腕で囲いながら髪を撫でる。


「今日は、楽しかったか?」

「うん。たくさん話せたし」


新田さんの近況を聞いたことは、言わないでおいた。
もう関係ないといっても、彼はきっと良い顔はしない。


「結婚式、来てくれるって」

「そうか」

「克己くん」

「ん?」

「ありがとう……迎えに来てくれて」


いつもいつも、甘えさせてくれて、ありがとう。


腕の中に閉じ込められるような狭い空間に、視界いっぱいに克己くんの優しい微笑。


「……そんな可愛く甘えられたら、今夜寝かせてやれなくなるけど」


その言葉に、キュンと身体の奥が彼を呼んで鳴いた。


彼の手が、ネクタイの結び目を握って緩めながら、唇を触れ合わせ吐息を混ぜる。
優しいキスから少しずつ、舌を絡める蜜のような甘いキスに変わった。




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