蜜月同棲~24時間独占されています~
もう何か月も一緒に暮らして、夜も共にして肌も合わせた。
私の心も身体も全部、すっかり克己くんに馴染んでいて、式なんてそんなに急いで考えなくても私はとっくに彼のものだ。
そう思っていた。
だから、結婚式当日を迎えても、当然感動はあったとしても、今更、さほどのことはないだろうと思っていた。
軽く考えていた、という意味じゃない。
ただ、そんなものは関係なく私は自分の全部を彼に明け渡したつもりでいた。
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それからの時間は、あっという間だった。
式の日当日は、朝から準備で忙しく、前日から実家に帰っていて式場に直行した私は、克己くんと顔を合わせていなかった。
控室で、姉がドレスを着つけてくれて形を整えてくれる。
両親が、涙ぐんで言った。
「綺麗よ、柚香」
「……ありがとう。お父さん、大丈夫?」
父親に至っては、これからヴァージンロードを一緒に歩いてもらわなければいけないというのに、既に目が真っ赤だった。
「……柚香、幸せにな」
そう言ってくれるのはいいのだが、なんだかとても元気がない。