蜜月同棲~24時間独占されています~
うる、と涙が膜を張った。
「あ、ありがと」
きっと、昔から私は『妹』だったんだろう。
初恋の痛みをちくりと胸が思い出したけれど、それ以上に嬉しかった。
何年も離れていても、私のことを家族だと思ってくれているのだと、嬉しかった。
「俺よりうちの母親のがすげえ剣幕。柚香ちゃんにはもっと良い人がいるはずだって」
「あはは。だといいけど」
涙ぐんで俯く私の頭に、優しく克己くんの手が触れた。
優しい手に、ぽん、ぽんと宥められ余計に泣けてくる。
「さっさと忘れろ、そんな最低な男のことは」
「……ねえ、もしかして、だからドレス隠したの?」
なんとなく、彼がドレスを持ち去ったと聞いてから、そんなような気がしていた。
「あんなもんがあったら、いつまでも忘れられないだろ」
「起きたらなかったから、びっくりした」
「悪かった。けど、返さない。今のお前見てたら、返せない」
彼は真剣な目で私を見つめ、そう言った。
あの時は確かにびっくりしたけれど、私も今となっては彼が持ち去ってくれてよかったと思っている。
でなければ、私はあのワンルームマンションの狭い空間に、苦い想いを抱えてドレスと一緒に閉じ込められていたのだから。
そんな状態では、忘れようにも忘れられるわけがない。
だからきっと、今はこれがベストなんだろう。
「……でも、あれお姉ちゃんが作ってくれた大事なものなの。だから、私が忘れられるまで預かっててください」
そう言うと、彼は複雑そうにだけれど頷いた。
「あ、ありがと」
きっと、昔から私は『妹』だったんだろう。
初恋の痛みをちくりと胸が思い出したけれど、それ以上に嬉しかった。
何年も離れていても、私のことを家族だと思ってくれているのだと、嬉しかった。
「俺よりうちの母親のがすげえ剣幕。柚香ちゃんにはもっと良い人がいるはずだって」
「あはは。だといいけど」
涙ぐんで俯く私の頭に、優しく克己くんの手が触れた。
優しい手に、ぽん、ぽんと宥められ余計に泣けてくる。
「さっさと忘れろ、そんな最低な男のことは」
「……ねえ、もしかして、だからドレス隠したの?」
なんとなく、彼がドレスを持ち去ったと聞いてから、そんなような気がしていた。
「あんなもんがあったら、いつまでも忘れられないだろ」
「起きたらなかったから、びっくりした」
「悪かった。けど、返さない。今のお前見てたら、返せない」
彼は真剣な目で私を見つめ、そう言った。
あの時は確かにびっくりしたけれど、私も今となっては彼が持ち去ってくれてよかったと思っている。
でなければ、私はあのワンルームマンションの狭い空間に、苦い想いを抱えてドレスと一緒に閉じ込められていたのだから。
そんな状態では、忘れようにも忘れられるわけがない。
だからきっと、今はこれがベストなんだろう。
「……でも、あれお姉ちゃんが作ってくれた大事なものなの。だから、私が忘れられるまで預かっててください」
そう言うと、彼は複雑そうにだけれど頷いた。