蜜月同棲～24時間独占されています～

深呼吸をして、息を整えた。
今のをもしも誰かに聞かれていたら、と思うと血の気が下がった。


あまりにもひどい。
それでは、綾奈とは本当に遊びで関係を持っていたってこと？


綾奈はどういうつもりでいたんだろう。
わからないけれど、これから子供が生まれるというのにもしも新田さんのこの言葉を聞いたらきっと普通ではいられなくなる。


「……そのセリフ、二度と口にしないでください」

「ほんとなんだ。俺は柚香と」

「それを聞いて幸せになる人は誰もいません」


本音だったとしても、お腹の子どもに罪はないのに。
これから父親になる人の口から聞きたくなかった。


新田さんから返事はなく黙ったままで、かち、かち、と液晶画面の画像を送り続けていた。
だけど、暫くしてからもう一度謝罪の言葉を口にする。


「どうにもならないことはわかってる。ただ、謝りたかっただけだ」


ふ、と溜息をしてから顔を上げ、私を見た目はなぜか、責めるようなものだった。


「……お前があんまりあっさり引き下がるから。もっと罵倒し足りないんじゃないかと思っただけ」