蜜月同棲~24時間独占されています~

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コンビニで買ってきたサラダとパックの野菜ジュースが入った袋をローテーブルの上に置くと、その前でへたり込んだ。
食欲がなく、自炊する気力も起きなくて、それでも何か食べなければとコンビニで目についたものを無理矢理買ったのだ。


結局、それを開ける気にはなれなくて、私は仕事用のトートバッグからクリアファイルを取り出した。
中には、今日人事からもらった書類が挟まれている。


書類を見つめながら、私は自分の中からどんどん気力が抜けていくのがわかった。


人事から戻った私の様子がおかしいことに気が付いたのか、さやかが心配してくれていたけれどさすがにこれを相談することはできなかった。
さやかのことだから、きっと怒ってくれるに決まってる。


けれど、どうにかできるものでもないのに、そんな心配だけかけるのも申し訳なかった。
私が考えて答えを出してから、報告すべきことだろう。


「……辞めた方がいいのかな」


再就職先の斡旋はしてくれるみたいだった。
そんな上手くいくものかどうかもわからないけれど。


気力がなくなっても、働かなくては食べていけない。
住むところもなくなることだし、社宅か住み込みで働ける仕事を探そうか。


……それか一度、実家に帰るのもいいかもしれない。

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