蜜月同棲~24時間独占されています~
「よりによってこんな時に、見合い話なんて持ってくる!?」
たまったフラストレーションを、目についたクッションをベッドにぶつけた。
そしてものに当たってしまった自分に嫌気がさして、二度目に振り上げたクッションは暫く掲げたまま、それからゆるゆると床に落とした。
どうしよう。
今の職場でやっていく気力は萎えた。
次の住む場所を探さなくてはいけないが、見つからない。
就職活動もしなければいけない。
実家に帰ろうにも、お見合いをさせられるくらいなら自力でどうにか踏ん張りたい。
ああ……でも。
「……だめだ。頭働かない」
キャパオーバーだ。
この状態で何をどう考えたところで良い案など浮かばない気がする。
そもそも良い案なんてあるのかな?
再び鳴り始めた携帯電話を見る気も起きず、床に放置した。
きっと母親に決まっているからだ。
寝よう。
今日はもう、寝てしまおう。
何もかもに気力を失った私は、その夜食事も摂らず服も着たまま、ベッドに潜り込んで耳を塞いだ。
目も瞑った。
明日、早く起きてシャワーを浴びて、そしたら気持ちを切り替えよう。
今日だけ、今だけ。
ちょっとだけ、挫けさせて欲しい。