蜜月同棲~24時間独占されています~
連れて来られたタワーマンションは、車の中からでは何階まであるのかとてもじゃないが窺えない程の高層マンションだった。
まるでホテルみたいなエントランスは通り過ぎ、緩やかな坂で地下の駐車場に車を停め、私は呆然としたまま手を引かれてエレベーターに乗せられる。
で、連れて来られた部屋のあまりのゴージャスさに呆然と立ち尽くしていた。
広々としたリビングは、天井も高くて解放感が半端ない。そんなことを意識しなくても充分な広さがあるのに、だ。
リビングの左角を中心に大きなガラス窓になっていて、前方と左側と二面で夜景が楽しめるようになっている。
「どうした? ぼーっとしてないで座れ」
「えっ! はいっ!」
家主なのだから当然なのだけれど。
この部屋の雰囲気に違和感なく溶け込んでいる克己くんにそう言われて、声が裏返ってしまった。
おそらく座れとは、この白の皮張りのフカフカのソファのことだろう。
そこにちょこんとお尻を預けて、ピンと背筋を伸ばしてしまう私はきっと、この部屋には浮いている。
克己くんはどこかに電話をかけた後、キッチンに入ってからカップをふたつ、持ってリビングに戻ってきた。
そうして、相変わらずお行儀よく固まっている私にくすっと苦笑いをする。
「なんでそんなに緊張してんの」
「だって、すごいマンションなんだもん。びっくりした」
だけど、そういえば克己くんの実家も結構大きなお家だった。
住宅街の密集区画の中に、ガーデニングも楽しめるくらいの広い庭の住宅はあの辺りでは一番の大きさだったと思う。
改めて、住む世界の違う人なんだなあと思い出した。
母同士が仲が良かったからあんまりそんな感覚はなかったけれど。
まるでホテルみたいなエントランスは通り過ぎ、緩やかな坂で地下の駐車場に車を停め、私は呆然としたまま手を引かれてエレベーターに乗せられる。
で、連れて来られた部屋のあまりのゴージャスさに呆然と立ち尽くしていた。
広々としたリビングは、天井も高くて解放感が半端ない。そんなことを意識しなくても充分な広さがあるのに、だ。
リビングの左角を中心に大きなガラス窓になっていて、前方と左側と二面で夜景が楽しめるようになっている。
「どうした? ぼーっとしてないで座れ」
「えっ! はいっ!」
家主なのだから当然なのだけれど。
この部屋の雰囲気に違和感なく溶け込んでいる克己くんにそう言われて、声が裏返ってしまった。
おそらく座れとは、この白の皮張りのフカフカのソファのことだろう。
そこにちょこんとお尻を預けて、ピンと背筋を伸ばしてしまう私はきっと、この部屋には浮いている。
克己くんはどこかに電話をかけた後、キッチンに入ってからカップをふたつ、持ってリビングに戻ってきた。
そうして、相変わらずお行儀よく固まっている私にくすっと苦笑いをする。
「なんでそんなに緊張してんの」
「だって、すごいマンションなんだもん。びっくりした」
だけど、そういえば克己くんの実家も結構大きなお家だった。
住宅街の密集区画の中に、ガーデニングも楽しめるくらいの広い庭の住宅はあの辺りでは一番の大きさだったと思う。
改めて、住む世界の違う人なんだなあと思い出した。
母同士が仲が良かったからあんまりそんな感覚はなかったけれど。