蜜月同棲~24時間独占されています~
少し気は楽にはなっても、まだお見合いの話まで聞けるほどメンタル回復はしていない。
こんな時に見合い話なんか持ってきた母親に反発の気持ちもあって、暫く電話は出ないと決めている。
「……見合い?」
不信気な克己くんの声に、ピザに齧りつこうとしていた私は目線を上げた。
「そうなの。落ち込んでるとこにそんな気はなれないのはわかるけど、って言いながらもいきなり。わかってて酷いなあって、ちょっと怒ってて」
「それ、どこからの見合いかとか聞いたか? 相手とか」
「全然。だって誰が相手でも今は無理だもの、絶対」
そう言って、今度こそピザに齧りつく。
バジルの香りとトマトの酸味が口の中に広がって、満悦気味に目を閉じる。
美味しい、といういつもなら当たり前に感じていたことを久々の感覚のように浸っていると、克己くんが私の言葉に相槌を打った。
「そうだよな、いきなり過ぎるよな」
「だよね、どんな相手でも関係ないよ」
「わかってる。ってか相手俺だけどな、多分」
こんな時に見合い話なんか持ってきた母親に反発の気持ちもあって、暫く電話は出ないと決めている。
「……見合い?」
不信気な克己くんの声に、ピザに齧りつこうとしていた私は目線を上げた。
「そうなの。落ち込んでるとこにそんな気はなれないのはわかるけど、って言いながらもいきなり。わかってて酷いなあって、ちょっと怒ってて」
「それ、どこからの見合いかとか聞いたか? 相手とか」
「全然。だって誰が相手でも今は無理だもの、絶対」
そう言って、今度こそピザに齧りつく。
バジルの香りとトマトの酸味が口の中に広がって、満悦気味に目を閉じる。
美味しい、といういつもなら当たり前に感じていたことを久々の感覚のように浸っていると、克己くんが私の言葉に相槌を打った。
「そうだよな、いきなり過ぎるよな」
「だよね、どんな相手でも関係ないよ」
「わかってる。ってか相手俺だけどな、多分」