蜜月同棲~24時間独占されています~
初恋相手と恋の罠
そんな話、聞いてない!
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翌日からは、大忙しだった。
私が会社を辞めることは、今はオフィスの空気が通常ではなかったし、これ以上波風が立たないように最後の日までは秘密にしてもらうことにした。
知っているのは上司と、私の仕事を引き継いでくれるさやかだけだ。
「納得いかない……なんで柚香が辞めないといけないの?」
お昼休み、内緒話をする時の定番である屋上にコンビニで買ったサンドイッチと温かいコーヒーを持ち込んでいる。
さやかは怒っているけれど、私も最初は酷くショックだったけれど、退職を決めてからは随分気が楽になった。
「私もそう思うけど、このままここで新田さんと同じ部署で働くのもしんどいし。社内で私が他所の部署に回されるのも……癪だし」
「まあ……そりゃそうか」
「そんなわけで、あと一か月ないけど……さやか、私の後、よろしくね」
ベンチでサンドイッチを齧り、はあっと息をつく。
まさか、こんな結末になるとは思いも寄らなかったが、なんとも虚しい。
この屋上で、ほんの少し前には新田さんとの結婚に向けて、さやかに惚気話を聞いてもらっていたというのに。
「了解。寂しいけど……その方がいいねきっと。柚香を助けてくれる人がいて良かったよ」
翌日からは、大忙しだった。
私が会社を辞めることは、今はオフィスの空気が通常ではなかったし、これ以上波風が立たないように最後の日までは秘密にしてもらうことにした。
知っているのは上司と、私の仕事を引き継いでくれるさやかだけだ。
「納得いかない……なんで柚香が辞めないといけないの?」
お昼休み、内緒話をする時の定番である屋上にコンビニで買ったサンドイッチと温かいコーヒーを持ち込んでいる。
さやかは怒っているけれど、私も最初は酷くショックだったけれど、退職を決めてからは随分気が楽になった。
「私もそう思うけど、このままここで新田さんと同じ部署で働くのもしんどいし。社内で私が他所の部署に回されるのも……癪だし」
「まあ……そりゃそうか」
「そんなわけで、あと一か月ないけど……さやか、私の後、よろしくね」
ベンチでサンドイッチを齧り、はあっと息をつく。
まさか、こんな結末になるとは思いも寄らなかったが、なんとも虚しい。
この屋上で、ほんの少し前には新田さんとの結婚に向けて、さやかに惚気話を聞いてもらっていたというのに。
「了解。寂しいけど……その方がいいねきっと。柚香を助けてくれる人がいて良かったよ」