蜜月同棲~24時間独占されています~
そこまで心配させるほど、私は頼りない妹キャラに見えるのだろうか。
何か腑に落ちないものを感じながらも、もう私に帰る場所はなく素直に言うことを聞くしかなかった。
荷物の積み入れが終わり引越し業者はすぐに引き上げ、残されたのは積まれた段ボールを見つめる私と克己くんだけになる。
これでやっと、まともに話せる。
「じゃあ、梱包解いていくか」
「ま、待って! その前に!」
っていうか梱包解くとかさらっというけど、ちょっと待って。
どこに何入れたか箱に書いてはあるけれど、やっぱり服とかを幼馴染とはいえ男の人に解いてもらうのは恥ずかしい。うっかり下着の箱を開けられても困る。
そっと積まれた段ボールを背中に隠し、克己くんに向かい改めて頭を下げた。
「えっと、まず、こんなことまでしてもらって、本当にありがとうございます」
かしこまり過ぎたのかもしれない。
顔を上げると、克己くんの戸惑った顔が、少し寂しそうに見えた。
「別に。俺と柚香の間で、そこまで遠慮することじゃないだろ」
「ううん、本当に助かったから。でも、このままここで取り決めもなくずるずるお邪魔するわけにもいかないし、だからちゃんと期限を決めておきたい、です」