蜜月同棲~24時間独占されています~
「期限?」
私の言葉に、ゆっくりと腕を組み、彼は聞き返す。
やはり、何か怒っているように見えた。
「う、うん……一か月以内に、住む場所はなんとかします。仕事も、なんとか」
言いながら、自分が情けなくなってきた。
なんとか、なんとかとこのところずっとそう言っているけれど、あてなんか何処にもなくなんの説得力もない言葉だと思った。
案の定、克己くんは溜息を吐き、納得しているようには見えない。
「……それから?」
が、続きを促し、とりあえずは一通り私の話を聞いてくれるつもりのようだ。
「うん、それで……ここにいる間、家賃は」
「要らない。柚香からそんなのもらうわけないだろ」
多分、それはそう言われるだろうなと予測していたので、私は代替え案を提示した。
「じゃあ、代わりに家事する。食事も作る。それを家賃代わりに……ってことでどうでしょうか」
食材なんかは当然私が自分で買うし、そうしたら、こんな豪勢なマンションの家賃の半分にもならないだろうけど、克己くんはその分外食しなくて済む。
お世話になるなら当たり前のことだし、期限を決めたのは自分が甘えてしまわないように、だ。
克己くんは優しいから、気を抜けばつい頼ってしまうような気がした。