蜜月同棲~24時間独占されています~
「……いいの? ほんとに。彼女とか出来そうになった時、私が居たらひかれたりしない?」


そういうと、彼は「ははっ」と笑った。


「んなことでぎゃーぎゃー言う女と付き合わないし、それにまあ、気になってる女はいるけど」

「えっ、わっ」


じゃあやっぱりまずいじゃないか、と言おうとしたが、ぐしゃぐしゃっと髪をかき混ぜられて言葉は封じられた。


「柚香が心配する相手じゃないから、気にしなくていい」

「いや気になるよ!」

「それに家事してくれるなら本当に助かるんだよ。どうしても外食になりがちだったから、食事作ってくれるんならいつまで居てくれてもいいくらいだけど?」


そう言った笑顔に釣られて、私も腹をくくった。
いざ、克己くんがその気になる人とうまくいくことになったら、その時はすぐに出て行けるよう自分なりに準備をしておくことを決めて。


そしてふと、頭を過ったのは。
初恋相手だからといって、優しいからといって。


決して過去の感情を掘り返してはいけない、ということだった。


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