蜜月同棲~24時間独占されています~
壁に掛けられたきらきらした華やかなウェディングドレスを呆然と見上げた。
今朝姉がサイズ合わせに来てくれた時、直しの必要がなさそうだったので置いていってもらったのだ。
新田さんに、見てもらいたかったからだ。
喜んでくれると信じて疑っていなかった、つい数時間前の自分が余りにも滑稽で力の抜けた笑いが零れた。
「はは……」
どうすんの、これ?
一か月後にはこれを着て、その日は誰よりも幸せに私は笑っているはずだった。
私の幸せを祈って、姉がデザインしてくれたドレス。
私の希望を聞きたいからと、私の部屋に泊まって姉が何枚もラフ画を描いてくれた夜を思い出す。
「ごめん、お姉ちゃん……破談になっちゃった」
初めて、涙が零れた。
あんなに一生懸命考えてくれたのに、肝心の式の予定が消えてなくなってしまった。
喜んでくれた両親にも、哀しい顔をさせてしまう。
ぱたぱたぱた、と連続して零れた涙が膝のスカートを濡らした。
悲しかった。新田さんに裏切られたことも、綾奈のことも。
新田さんはちゃんと分別の付く人だった。
たくさんの人に迷惑がかかるとわからないはずがなく、そんなことも全部構わなくなるほどに、彼は綾奈を好きになったのだろうか。
「う、う、ぁああああ……」
一度堰を切った涙は、その夜泣きつかれて眠るまで止まらなかった。
今朝姉がサイズ合わせに来てくれた時、直しの必要がなさそうだったので置いていってもらったのだ。
新田さんに、見てもらいたかったからだ。
喜んでくれると信じて疑っていなかった、つい数時間前の自分が余りにも滑稽で力の抜けた笑いが零れた。
「はは……」
どうすんの、これ?
一か月後にはこれを着て、その日は誰よりも幸せに私は笑っているはずだった。
私の幸せを祈って、姉がデザインしてくれたドレス。
私の希望を聞きたいからと、私の部屋に泊まって姉が何枚もラフ画を描いてくれた夜を思い出す。
「ごめん、お姉ちゃん……破談になっちゃった」
初めて、涙が零れた。
あんなに一生懸命考えてくれたのに、肝心の式の予定が消えてなくなってしまった。
喜んでくれた両親にも、哀しい顔をさせてしまう。
ぱたぱたぱた、と連続して零れた涙が膝のスカートを濡らした。
悲しかった。新田さんに裏切られたことも、綾奈のことも。
新田さんはちゃんと分別の付く人だった。
たくさんの人に迷惑がかかるとわからないはずがなく、そんなことも全部構わなくなるほどに、彼は綾奈を好きになったのだろうか。
「う、う、ぁああああ……」
一度堰を切った涙は、その夜泣きつかれて眠るまで止まらなかった。