蜜月同棲~24時間独占されています~
本当なら、この感覚を結婚して味わうものだったはずなのだけど。
ふっと、思い出したくもない現実が頭に浮かんで影が差す。
さやかも言ってた。
克己くんも言ってる。
結婚してしまう前にわかって良かったのだと、そう思うことで自分が楽になるだけのことかもしれないけれど。
「柚香?」
不意に呼ばれて、ぱっと顔を上げた。
「あ、ごめん。なに?」
克己くんの手には、醤油のパックが右手と左手、それぞれに違うものがあった。
「うち、醤油濃口しかないけど、薄口も買うかって」
「あ、うん。欲しい」
慌てて、頭の中の雑念を振り払い、笑顔を浮かべる。
克己くんは、物言いたげな表情だったけれど、私は気付かないふりをして薄口醤油を彼の手から受け取ってカゴに入れた。
ここまでしてくれてるのに、これ以上心配をかけてはいけない。
「あ。あとコンソメ」
きょろ、と周囲を見渡し、コンソメの場所を探す。
「柚香」
ふわ、と克己くんの片腕が突然、私の腰を引き寄せた。
ふっと、思い出したくもない現実が頭に浮かんで影が差す。
さやかも言ってた。
克己くんも言ってる。
結婚してしまう前にわかって良かったのだと、そう思うことで自分が楽になるだけのことかもしれないけれど。
「柚香?」
不意に呼ばれて、ぱっと顔を上げた。
「あ、ごめん。なに?」
克己くんの手には、醤油のパックが右手と左手、それぞれに違うものがあった。
「うち、醤油濃口しかないけど、薄口も買うかって」
「あ、うん。欲しい」
慌てて、頭の中の雑念を振り払い、笑顔を浮かべる。
克己くんは、物言いたげな表情だったけれど、私は気付かないふりをして薄口醤油を彼の手から受け取ってカゴに入れた。
ここまでしてくれてるのに、これ以上心配をかけてはいけない。
「あ。あとコンソメ」
きょろ、と周囲を見渡し、コンソメの場所を探す。
「柚香」
ふわ、と克己くんの片腕が突然、私の腰を引き寄せた。