蜜月同棲~24時間独占されています~
きっと随分久しぶりだろう、克己くんの冷蔵庫に食材がびっしり詰め込まれたのは。
新婚、と言われて意識してしまったのか、忙しなく働く心臓の音が克己くんにバレないかと落ち着かないながらも買い物を終え、マンションに帰ってきた。
その後、順にお風呂に入った、そこまでは良かった。
いざ、寝るかという時に大問題が発生した。
「え。お布団ないの?」
愕然、と寝室で立ち尽くす。
目の前には、キングサイズの大きなベッドが部屋の中央を陣取っている。
寝具は、これひとつ。
なんと、客用の布団もベッドも何もないというのだ。
だったら、私のベッドの布団でもこっちに降ろしてくれていたら良かったのに、と思ったがもう後の祭りだ。
「いいだろベッドで寝れば。デカいしふたりで寝ても狭くはない」
「よくない、ちっともよくない」
確かに余裕で眠れるだろうけれど、そういう問題ではない。
無理です、と顔を横にぶんぶん振る私を彼は、心底不思議そうに見つめてくる。